月夜に笑った悪魔


月城組だとしたら、なんで……。
抗争は明日のはずじゃ……。



急に立ちどまる彼。
物陰に隠れて、『静かに』と唇に人差し指を当てる。


なにかと思えば……。




「一条暁とオンナはそっちにいたか!?」
「こっちにはいなかった!」
「クソ……っ!今がチャンスなのに……」
「早く見つけて早く仕留めるぞ!」



聞えてきた、大きな声。


ここから姿を見ようとすれば見つかってしまいそうで、私は息を殺したまま声を聞いた。



……なんだ、今のは。
やっぱり、暁と私を探している。



「……月城組か」


今の声の主の人たちの足音が遠ざかれば、ぽつりと小さくつぶやいた暁。


今の人たちに見覚えがあったのだろうか。
月城組、ってわかるなんて……。

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