月夜に笑った悪魔
いったいいくつ目があるんだ、と思うくらい。
恐怖が心を支配する中彼を見て……やがて、暁は全員倒した。
わずか数秒。
これだけの人数いるのに、絶対1分はかかっていない。
すごい、と思っている暇もなく。
……倒しきった頃には、彼のスイッチが完全に入ってしまったあとだった。
理性を失ったかのように、戦意喪失した人たちを殴り続けている彼。
暁は、殺そうと思うのをやめると言った。
復讐はもうしないはず、だが……彼の恨みもまたものすごく深いもの。
さっき思い直しても、そう簡単には自分の気持ちも体も制御できないんだ……。
上がったままの口角。
浴びる返り血。
……その光景は、何度見てもゾクリとする。