月夜に笑った悪魔
やっぱり、悪魔のような姿。
怖い、けど……一刻も早くとめないと!!
「暁……!!もう終わったから!!もういいよ!!」
彼に向かって大きな声を出すが、私の声は届かない。
すぐに彼のもとへと駆け寄って、今度はその背中に抱きついた。
「暁ってば……!!もういいって!!」
大きな声を出して強く抱きつく、けれど……。
だめだ。
全くとまらない。
私は、自分のポケットの中へと手を入れた。
ポケットに入っているのは、とあるケース。
そのケースの中に入っているのは……麻酔の注射器。
これは以前、吉さんから受け取ったもの。
暁が月城岳たちを殺すと言ってとまらないなら、これを使って強制的に眠らせよう……と考えてポケットに入れておいたんだ。