月夜に笑った悪魔
このままだと暁はこの人たちを殴り殺してしまいそうな勢い。
体によくないみたいだし、極力使いたくなかったけど……仕方ない。
それをポケットから取り出し、ケースから出して。
ごめんね、と心の中で謝りながら教えてもらった通り暁の腕にそれを打った。
──数秒後、力が抜けたように倒れていく暁。
私は彼を支えようとするが、重さに耐えきれず。
その場に尻もちをついたが、なんとか暁の頭を地面にぶつけなくてすんだ。
「うぅ……」
地面に倒れる男性たちが苦しそうに声を上げる。
……状況的に、麻酔を打って眠らせてとめるしかなかった。
それしかなかったけど……これはかなりやばい。