月夜に笑った悪魔
涙がとめどなく溢れて、目をこすってとぼとぼと歩く。
そうしていたら──。
「おっ!そこの可愛いお嬢ちゃん、一緒に飲もう~!」
突然、ふらふらと歩いてきて私の腕を掴んだ40代くらいのおじさん。
そのおじさんは私の顔を見ると、少し驚いた表情。
……それも無理もない。
私は泣いていて、きっと今ひどい顔をしているのだから。
私は顔をあまり見られたくなくて、うつむいた。
すると。
「大丈夫かい~?お嬢ちゃんも飲もう!飲めば辛いことなんて全部忘れられるさ~!」
おじさんはコンビニの袋の中から缶の飲み物を出して、それをずいっと差し出す。