トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
「なんで……?」
「えっ!?」
酷く低いトーンでそう話してきた流奈の顔を一瞬だけ見ると慌てて視線を反らす。
「うまく説明出来ないけど、私は体が健康なのに夢もなくて……勉強もできなくて……」
言葉につまりしばらく無言になった時我に返った。
一瞬で重くなってしまった空気に耐えられなくて、どうにかしなきゃと必死になりながらも、上手く言葉が出てこない。
「あはは~!なんかごめん!暗い話になっちゃって」
「…………もうさ、笑わないでいいよ」
「え?」
顔をあげて流奈を見ると、さっきまでの穏やかな流奈ではなく、憎悪に満ちた顔をしていた。
時計の針の音が規則的に刻まれるのが聞こえた来たのは、流奈の部屋に入って初めてのことだった。
「あのさ……笑いたくない時に無理して笑うなよ」
「----っ、流奈……。」
一瞬だった
流奈のその言葉で、私の頬を温かい涙がつたっていった。
それはもう止まることを知らないかのように、溢れ出してくる。
人の前で涙を流したのは一体何年ぶりなのだろう。
肩をトントンと叩かれたと思えば、目の前に差し出されたティシュを見て更に涙が溢れだしてくる。
それを受け取ると、流奈は今までにない優しい笑顔で私に微笑んだーーー。