トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜


「ねぇ…奈月?一つ言っていい?」

「えっ?」

とても真剣な眼差しで私を見つめる流奈はゴクリと生唾をのんだ。


流奈から何を打ち明けられても、私は全てを受け止めようと……

一瞬で緊張な空気が漂い私は縦に頷いた。

「あのさ....すっぴんだし目が腫れちゃってすんげー不細工!」

「はい?」思っていた言葉ではなく、拍子抜けしたその瞬間、流奈はまたお腹を抱えて「ぶすだ~!!」なんて騒いでる。

「おい!ちょーーひどいヤツ!コラーッッ!」

私は流奈の脇腹をめがけて、こちょこちょをした。

「マジそれだけは無理っ!!くすぐりは無理っ!!」

流奈は本気で逃げていて、それを私が追う……

二人はまるで仲の良いきょうだいのように、子供のようにふざけ合っていた。


そう、いつだってこうして最後には笑わしてくれる。

それは流奈の私への精一杯の心配の証で、そして愛なのだろうと勝手に解釈したりして。

それが心地よい。

「あ!!占い始まった!!」


気づけばもう朝方に近い深夜の時間……

付けっ放しにされたテレビの番組は占いのコーナーが始まっていた、それに反応する流奈を見ては「占いとか信じる系?」なんて茶化せば「悪い~?」なんておちゃらけて返ってくる流奈。

「顔に似合わずだね~」なんて、私もTVの画面に食いつく。

「ひっどい!!」なんて笑いながら流奈もTVを真剣に見ている。


『蟹座の今月の運勢は……』

そうテレビから聞こえ始めたとき、笑いあっていた私達は急に静かになった。

「ん?流奈は、なに座?」

「かに座~!!」

「えーーっ!!私も蟹座ー!!」

「マジ?奇遇だね~!!」

と、二人で盛り上がっていた時、蟹座が7位という順位が発表されていた。


「微妙だね~ぇ!!」なんて二人で笑い合ってみたり、なんせ今日のお泊り会で、私と流奈の距離は一気に縮まっていた。

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