トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜


「え、じゃぁさ~誕生日いつ?」

「7月13日」

「......えーーーーっ!」流奈はビックリした後、ニヤニヤしながら「あたしは7月12日!!」そう言いながら嬉しそうにしている。


そんな流奈に私は疑いの眼差しを送る。


まさか、そんなことがあるまい……と。

「え?なに?冗談だと思ってるの?」

「そんな偶然が……ねぇ……」

その時、目の前に生徒手帳が出され、流奈は勝ち誇りながら生年月日のところを私に見せつけてくる。

「マジ……本当だ」

冗談やふざけたことばかり言ってくる流奈を信用してなかった私は、その生徒手帳を見て、ただただ唖然とした。

「しかも、O型?」

「まさか……奈月も……とか?」

「そう、私はガタガタ……」

「それは知ってる!!」

そう真剣に頷く流奈に「本当にヒドイ!!」なんて言いながら「私もO型!!」と言うと、彼女は口を閉ざした。


「どしたの?」

「あのさ……私の名前の奈月って漢字は、奈良の奈に、月って書くんだ」

「あーーーーー!えぇぇぇぇぇーーっ!!!」


「分かった?」

こんなに興奮した流奈を見たのは初めてで、途中からそんな姿を見るのも新鮮で面白くも感じてきている。

「流奈の漢字、流れるに……奈良の奈!でしょ」

「奈が一緒ってことでしょ?」

「そうそう!」

「うわ!こわーーーーー!何?なんで?」

「今まで気づかなかった私達…あほ?」

「ええっーーーヤバイ、誕生日1日違いで、血液型まで同じなのにっ!!名前も1字違いとかっ!!!」


深夜……

いや、もう少しで夜が明けると言った方が正しいだろう……

私たちの睡魔など何処かに飛んでいき、この日初めて私と流奈が引き寄せられた理由が分かった気がした。


きっと、それは偶然ではなく


必然的にーーーーー。

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