トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
【嬉しい!心強い言葉ありがとう】
そう返事がきて私は目頭が熱くなり、空を見上げた。
大きく深呼吸をする、そして私はゆっくりと携帯を見ながらゆっくり歩きだす。
本当は流奈だってやっぱり心細いだろうし怖くて泣きたいだろう
けど赤ちゃんを育てるという道を選んだ流奈を尊敬してしまう
この選択を選んだ先にどんな大変なことが待っているか誰だって想像できない。
もし私が今妊娠したら、流奈と同じ選択を出来ただろうか……
色々な事を考えながら携帯をポケットに入れると駅に向かい階段を上がっていった。
気が付けば、強い風でそしてそれは少し冷たくて、スカートがめくられそうな季節になっていた。
日が暮れると一気に寒さが増して、それは本当に秋を知らせていた。
私はホームに着くと、自販機で温かい缶コーヒーを買い、それで手と頬を温めながら電車を待っていると 携帯の振動が体に伝わってくる。
メールを開くとその受信したメールを見て自然と微笑んでしまう。
もちろんその相手はまた流奈からのもので……
【今日は来てくれてありがとう♡お腹の子を絶対に幸せにするから】
[うん!必ずね!]
この世の中に絶対なんてないなんてよく言われるけど、私は流奈ならその絶対もあるものだと思ってしまうのだ。
彼女が少女から、母に変わっていく姿を私は近くで見ていたい、そう心から思って、想いを込めて返事を打ち込むと、なんだか凄く幸せな気持ちになれた。