トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
私は電話をきると、深く深呼吸した。
ボタンを握っている右手は汗をかいていた。
こんな日にひょっこりとあの日の第二ボタンが出てきてなんだか陽平に電話を出れるように、コントロールされてるよう。
全てが繋がっていて、まるで背中を押されているような気がした。
陽平ありがとう....
私たちは再会の約束できたよ。
そして陽平はやっぱりいつまでも私にとって大切な人だよ。
しかしズルイな……
今日に限って陽平も流奈もカッコいい登場して。
なんだが不思議なんだ
電話を切ったあとの私はまるでいつもの自分の部屋のはずなのに、ちっとも寂しくなんかなかった。
そして、酷く散らかった部屋を見ては現実に戻り頭を抱える。
「はぁ~。よし!!これを機に断捨離でもしますか」
散らかった部屋から宝箱を出すと、ずっと握りしめていたボタンをオルゴールと共にそっとその中に大事に戻す。
「じゃあね、ありがとう陽平」
私はもう届かない彼への想いをボタンにつげ、静かにその箱を閉じた。
次にこの宝箱を開ける日はいつなのだろうか……
果たしてその日は来るのだろうか……
その箱を抱えると、再びベッドの奥下へと閉まった。