トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
この世にあるの?
自分の命より大切な存在て...…。
歌舞伎町での暮らしで私は色々な人に出会い、大人の世界が少し分かったつもりだったけどこの時の私には到底理解できない。
綺麗事なんて言わない流奈を知ってる
だからこそ私は流奈が放った言葉と、にこやかにしている顔が少し羨ましく思えたが
流奈が別人のように少し遠く感じたのは気のせいだろうか?
私と流奈が会っていない期間、彼女はきっと
色んな事に気づいた時間だったんだろうと悟った。
疑問が残る中"自分の命より大切"その言葉は
私にとっては強烈な言葉であり、ずっと脳裏に焼き付いていた。
久しぶりの再会を果たした私達は、止まることのないマシンガントークであっという間に時間が過ぎて行った。
「そろそろ夕飯の支度するんでしょ?」
「そうなの~何作ろうかと迷ってる」
そんなことを言いながら冷蔵庫に向かった流奈を見て「じゃあ私もそろそろ行こうかな♪」と立ち上がると、「今日は本当にありがとう」と流奈はやっぱり前とは違う笑顔を私に向けた。