トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
「誕生日おめでとう!ままっ」
「ありがとう。」
大好きなショートケーキを目の前に、主人と華が一生懸命にバースデーの歌を歌ってくれている。
涙が込み上げてきてろうそくの火がぼやけて見える。
私は悲しみで泣くより
人の優しさに触れて涙が出るようになっていて
娘の華には泣き虫と言われるほどだった。
15歳の時私は流奈のあの華奢な手に救われた。
流奈との華奢な手とは全く正反対に近い、分厚い大きいな主人の手と、華の小さな可愛い手によって私はまた救われ安らぎと、生きる活力をもらえていた。
私は生きている。
生かされてるのではなく生きているのだーーーーー。