トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
刺青は、主人は大反対の人だったし、周りの人みんなに反対されるの分かっていたから内緒で行った。
あの日の私はドキドキしていた。
いやワクワクしていたんだこの日を待ちわびていたのだから……。
忘れもしない、とあるマンションの1室。
首から指、足先まで全身刺青の彫り師さんに刺青を彫ってもらっていた。
一房だけでもとても存在感がある花。
自分の娘の華『はな』の漢字の由来である
花びらが綺麗に咲き乱れている様子
背中に彫ってもらった一輪の花は私にとって大切な意味を持っている
その花の下には愛する娘の名前を細い線のタッチで筆記体にして入れてもらった。
私が大切に想う気持ちは死ぬまで絶対ブレない
一生変わることはないのだから
一生消えない刺青を迷うことなく入れてもらったんだ。
もちろん流奈にもこの刺青の事は事後報告となり、さすがの流奈でさえも私の決断に驚いていた。
どちらかと言うと、いや絶対に
流奈の方が刺青は似合うのだから、誰が聞いてもびっくりするだろう。
流奈と私は趣味も好みも性格も全く違う
はたからみたら、とてもすんなり仲良くなれそうになかっただろう2人なのにいつの間にか親友と呼びあう仲になっていた。