トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
久々に座った自分の部屋の机の椅子。
そう、明日は小テストがある。
クルクル回る椅子に腰かけながら、目の前に置かれてある教科書はダミーで、私は勉強もせず、ずっと考え事をしていた。
最近は、ずっと夜になると、陽平からの電話を自然と待っている自分がいる。
だけど、この気持ちをなんて説明したらいいのかなんて分からなくて……
だけど、これは恋心だとは思っていない。
「恋ではない……あ~どうしよ~」
ぶつぶつと独り言を呟きながら、椅子に座りながらクルクル回る。
コンコン♪
部屋のドアがノックされたと同時に、足を止めてドアを見つめた。
「入るよ」
「うん」
そこには、恵が立っていて、私を不思議そうに見つめている。
「大丈夫?頭……1人だよね?」
「えっ?」
部屋をキョロキョロと見渡し、私を見つめる。
「ずっと、奈月の声が聞こえて来てたから」
「え?うそっ……」
「いや、嘘じゃない……その独り言はやばすぎる」
「あははは……、ごめん!!」
そう言いながら、立ち上がると「ねぇ、机の下っ!シャーペン落ちてるよ」そう言われ部屋を出て行った恵の後ろ姿を見ながら、それを机の上に置いた。
………!!!!!
「これだっ!!!」
"シャーペンの芯なくなっていたんだっ!!"
時計を確認すると19時を指していて、私は恵を置き去りにしたまま部屋を飛び出した。