愛は惜しみなく与う②
…離れに行った?
待て待て
「離れには…杏がいるんだぞ?」
小さな声でゴトウに言う
ポーカーフェイスのゴトウの額にジワリと汗が浮かぶ
「坊ちゃん。何が何でも、私が止めますので、走って離れへどうぞ」
「…さっきのは冗談だ。良くても脚は撃たれるぞ」
どうしよう
杏が危ない
「坊ちゃん。終わったらしっかりと、ガールフレンド紹介してくださいね」
え?
あなた達を守るために使うだけです。
そう小さく言った
目に見えないスピードでゴトウは動き、合田兄の拳銃を持つ手を撃った
はや
拳銃は地面に落ちる
あまりのスピードで、合田側の奴らも誰も動けないでいたが、ゴトウは違った
すぐに動き、落ちた拳銃を奪い、両手に構えた
「ふぅ…久しぶりに人間に向けて撃ちました。綺麗に当たって何よりです」
笑顔のゴトウ
お前も持ってたのかよ…そう思ったが、今はそれに助けられた。ありがたい
合田は周りの奴らに止血をされている
「行きますよ。死にはしません。私も死なれたら困るんで」