愛は惜しみなく与う②
大丈夫だよな?
チラッと見て離れに足を進める
その時ゴトウの携帯がなる
「組長です!」
焦りながら電話をとるゴトウ
脚はしっかり離れに向けて歩く
するとスピーカーにもしていないのに、声が聞こえた。怒鳴り声…
アホ!
すぐ戻れ!
その2つの単語が電話越しに漏れて聞こえてきた
杏だ!!
「組長が危ない。坊ちゃん、ガールフレンドはあんなに怖い女性で構わないんですか?」
苦笑いしてゴトウが尋ねてきた
構わないって…
俺は杏みたいな子が…というか、杏が側にいてくれたらそれでいい。
「怖くないぞ、杏は。誰よりも優しいから。こうやって怒ってくれてるんだよ」
とりあえず無事な杏の声を聞けてよかった。
階段を駆け上がり部屋を開けると
杏が親父を膝枕していた
いや、うん
自分の父親を、好きな女が膝枕してるって、絵面的に強烈……
「組長!!!どこが傷みますか!」
ゴトウは親父に駆け寄るが、杏が駆け寄ってきたゴトウを殴っていた
いやいや、なんで?親父が危ない。そんな状況でもツッコマざるを得ない