愛は惜しみなく与う②
信号待ちで話したり、緩やかな道で話しながら進んだため、30分かかったが一瞬だった


「ここです。夜になると人が増えますが、その分ガラも悪くなるので、できれば夕方には出たいですね」


新は細長いビルを指さした

明らかに、いかにも!!みたいな佇まい


「私から離れないでくださいね?見たことない人がいると突っかかってくる人もいますので。あと、喧嘩は買わない。約束してくださいね?」


入り口で子供に言い聞かせるように新は話す。
ちょっと恥ずかしい…

チラチラ人に見られてるし


「わ、わかったって!離れへんし、おとなしくする!」

「…ほんとですよ?」


念押しされ、新に腕を引かれてビルに入る
新は地下の階段を下りる。地下か…

もし何かあった時逃げ場なしやな


「何か今、良からぬことを考えませんでした?」


顔が少し悪巧みする顔をしていました、と新に言われる。
お得意の窓からダイブができひんなぁって思っただけや!


「はぁ…約束忘れないでくださいね」


どんだけ信用がないんや…苦笑い
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