愛は惜しみなく与う②
「無理もクソもあるか。杏に手出したなら、やれ」
『相手は女子ですよ?はぁ…あ!!!』
なんだよ。
北蓮見に女は少ないが、何人かはいる。ただ、ここに来る女は、この学校に彼氏がいるだとか、それこそ赤井のチームのZAQに入っていたりとか…
とりあえず柄の悪い女ばかり
杏は違うけど
『あ、心配無用でした。なんだか杏さんが勝ちました』
「そうか。杏は手を出せないと思ったから、お前に行かせたのに」
『いやぁ…なんか手は出さないって約束して、その後に頭突きしだしました』
頭突き…
まぁ確かに手は出してないかな…屁理屈だけど
杏らしいよ
『女子のおでこが赤くなってます。それを見て杏さんは、ちょっと笑ってます…』
なんだよそのへんな状況
想像してついつい笑ってしまう
「どうかしましまか?」
「え?あぁ、拓也だ。杏の様子を聞いて」
「呼び出されて、笑うようなことあります?」
「杏は、何してても楽しそうだ」
あなたこそ何言ってるんです?と少し冷たい目を向ける新。
拓也は杏を追いかけて、こちらに合流するようだ