愛は惜しみなく与う②
「てめぇ!今笑ったろ!鼻で笑ったろ!」

朔がギャーギャー言いながら飛びついてくるから、腕を引いて足をかけて地面に転かした


「ってーー!こんな道の真ん中でやめろよ!車に轢かれたらどーすんだよ!」

「そん時はそん時だろ」


相変わらず今日も賑やかだな

最近朔も慧も、杏に好意があるのを、表に出すようになった。

分かりやすい

いつもなら好きにしろと言って終わりだが、今回はなかなかそうも行かず…

でも俺が何かするわけでもなくて…


そう思いながらファミレスまで歩いていると、拓也から電話が。


そろそろか


「どうだ?」

『どうだもこうも…杏さん何であんなに呼び出しされて嬉しそうなんですか?』

「……知らねー。経験できなかった青春時代だとか言ってた」

『はぁ。見ていてヒヤヒヤするんですけど!あ!杏さんが突き飛ばされ……てない』


「は?なんだよその言い方。」


突き飛ばされた?って、やっぱり手を出してくる奴らか。


「拓也いいぞ、やれ」

『や、やれって?殴れってことですか?無理ですよ』
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