エリート御曹司と愛され束縛同居
「おじい様、失礼をしてよろしいかしら?」
鈴の音のように軽やかな声が響く。
「桃子か? どうした、今日はこちらには寄らぬと……」
驚きを隠せない様子の植戸様はちらりと私たちに視線を移した。
「ええ、でもおばあ様に急な用事があったので参りましたの。そうしたら九重様がいらしゃってるって伺ったのでお茶のお替わりをおもちしました」
よどみなく話す女性の口調はとても落ち着いているが声には喜びが混じっている。
その時、遥さんが口を開き、小声で告げた。
「どうぞお気になさらず入っていただいてください」
「しかし……」
気遣うような視線を向ける植戸様に遥さんが言う。
「今回の件は私からもお話させていただきたいので」
その考えに頷く。
申し訳なさもあるけれど、きちんと返事をしたいという彼の意見に賛成だ。
植戸様は渋々了承してくださり、私に副社長の隣に座るように促した。遥さんにも頷かれ、座る場所を移動する。
「……入りなさい」
「失礼します」
嬉しさが込められた明るい声と共に障子がすっと開く。
現れた女性は華奢な身体つきの綺麗な人だった。
白いレースの縁取りが襟と七分丈の袖口にあしらわれた紺色の清楚なワンピースを着ている。白い肌に濃い色がよく映えてとても似合っている。
桃子、と呼ばれたその女性はお茶の交換をそつなくこなした後、植戸様の隣に腰をおろす。
その容貌にはどこか見覚えがあった。
鈴の音のように軽やかな声が響く。
「桃子か? どうした、今日はこちらには寄らぬと……」
驚きを隠せない様子の植戸様はちらりと私たちに視線を移した。
「ええ、でもおばあ様に急な用事があったので参りましたの。そうしたら九重様がいらしゃってるって伺ったのでお茶のお替わりをおもちしました」
よどみなく話す女性の口調はとても落ち着いているが声には喜びが混じっている。
その時、遥さんが口を開き、小声で告げた。
「どうぞお気になさらず入っていただいてください」
「しかし……」
気遣うような視線を向ける植戸様に遥さんが言う。
「今回の件は私からもお話させていただきたいので」
その考えに頷く。
申し訳なさもあるけれど、きちんと返事をしたいという彼の意見に賛成だ。
植戸様は渋々了承してくださり、私に副社長の隣に座るように促した。遥さんにも頷かれ、座る場所を移動する。
「……入りなさい」
「失礼します」
嬉しさが込められた明るい声と共に障子がすっと開く。
現れた女性は華奢な身体つきの綺麗な人だった。
白いレースの縁取りが襟と七分丈の袖口にあしらわれた紺色の清楚なワンピースを着ている。白い肌に濃い色がよく映えてとても似合っている。
桃子、と呼ばれたその女性はお茶の交換をそつなくこなした後、植戸様の隣に腰をおろす。
その容貌にはどこか見覚えがあった。