エリート御曹司と愛され束縛同居
自慢じゃないが俺もそれなりの容姿で、それなりにモテてきた。

でも先輩のそれは俺の比ではなかった。

女性に言い寄られるのは昔かららしいが、降るような縁談にあまたの誘いが続く毎日に天下の御曹司は辟易していた。

しまいにはストーカーじみた行為もされるようになり、ますます女性への不信感を募らせていた。

そんな日々を送る彼は、すっかり恋愛を諦めていて、恋心なんてものは俺以上に放棄していた。


そんな折、ふと澪を思い出した。

俺はこれまでの人生をあの真っ直ぐな幼馴染みに何度も救われた。

澪と遥さんは正反対に見えて、どこか似ているような気がした。


このふたりを出会わせてみたい。


それは単なる思いつき。

そして、俺がお膳立てをするつもりだったのが、予想外の展開でふたりは出会ってしまい、紆余曲折を経て恋に落ちた。

元々先輩は澪を気にして惹かれていたようだったし、最悪に近い出会いさえも、今ではきっといい思い出だろう。
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