初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
「力不足? 俺はそんな風に考えたことはない。君となら上手くやっていけると思ったから結婚を決めたんだ。」
「……そうなんですか?」
柊哉さんは直ぐに頷く。
「君となら家族になれると思っていた。でもその考えを押し付けるつもりはない」
「あの、押し付けるだなんてそんなことはないです。私も柊哉さんと家族になりたいと思ったから結婚を決心出来たんです」
そう伝えると、先程から強張っていた彼の表情が和らいでいく。私たちの間に漂う空気も。
思えばこんな風にお互いの心情を表に出すのは初めてだ。それ程私たちの間には会話が足りていなかった。
昨日、私も彼が何を考えているのか分からなくて不安を感じていた。
かといって“何を考えているの?”なんて聞きづらくて言葉を飲み込み内面には踏み込めずにいた。