あやかしの集う和菓子屋にようこそ
休憩時間となり、私は二人にお茶と錦玉を出します。錦玉とは、寒天に砂糖や水飴などで甘みをつけ、型に入れて固めたものです。寒天の中には、色とりどりの石が浮かんでいます。

「わあ〜、おいしそう!綺麗!」

沙月さんがはしゃぎ、早速錦玉を口に入れます。その表情は幸せそうなものへと変わっていきました。

「……ありがとうございます」

葉月さんもそう言い、錦玉を食べ始めます。葉月さんは沙月さんほど表情は変わりませんが、その目は細くなり口元がふわりと緩みました。そんな二人を見て、私も自然と微笑みます。

「今度、またどこかへ行きませんか?季節の草花が浮かんだ花手水が有名な場所があるんです」

私がそう言うと、沙月さんの目が輝きます。葉月さんはそんな沙月さんを見て、優しい表情を見せていました。

アルバイトがない日に、私は二人を京都のオススメの観光地に連れて行きました。

カラフルなお手玉のようなお守りがたくさん吊るされている八坂庚申堂と、ハート型の可愛らしい窓がある正寿院に行きました。着物を着て京都の街を歩き、可愛らしいものであふれた一日を三人で過ごしました。
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