あやかしの集う和菓子屋にようこそ
「さっきも食器が棚から落ちて割れたの!早く除霊してちょうだい!!」

女性が怯え、沙月さんがキョロキョロとあちこちを見回し、「あっちの方から強い気配がするわ」と葉月さんの手を取り走り出しました。

沙月さんが葉月さんを連れて入ったのは、使われなくなった家具がしまわれている物置部屋でした。部屋の広さは八畳ほどでしょうか。

「……ここで、お嫁さんの咲(さき)さんは暮らしていたんだな」

「うん、その時の映像が頭に流れている」

私にはただの物置部屋にしか見えません。しかし、お二人は違うのでしょう。目を閉じ、意識を集中させています。

「栞さん!今から、霊力を一気に放出します。なのであなたにも見えるはずです!もちろんあなたにも!」

私と女性の方を見て、沙月さんが真剣な表情で言いました。私はこくりと頷き、女性は顔を真っ青にしています。

沙月さんが手を合わせ、何かを唱え始めました。すると、ガタガタと部屋の家具が地震が起きているかのように揺れ始め、扉がバタンと一人でに閉まります。私は目の前で起きていることに、驚きを隠せませんでした。
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