幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

 私は扉をたたき、
「開けてくださーい! だれかー!」
と叫んだ。
 誰からも返事はなく、私の声はむなしく資料室内にこだまする。

「無駄だよ。おとなしく待ってよう」
「藤森先生、院内の携帯は?」

「うーん、残念ながら席に置いてきちゃった」

 その言葉に思わず
「なにやってんですか! 患者さんに何かあったらどうするんですか!」
 怒鳴ってしまう。

(ホントこの先生は、何考えてんだ! いつでも持ってろよ!)

 閉じ込められたのも問題だが、この間に患者さんに何かあればこの先生は一体どうする気なんだろうか。それほど、適当に患者さんのことを考えているように思えて、イラつく。

< 137 / 227 >

この作品をシェア

pagetop