幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
「一体何なんですか!」
「三波ちゃんはなんのために健一郎と結婚した?」
「なんの、ためって……」
「そもそもの結婚の目的は、三波ちゃんの実家の病院を継ぐことだったんでしょう」
「そうですけど」
「それはさ、他のどんな医者でもよかったんじゃない。たとえば、他の誰よりそうしたいと思ってる真壁でもね」
「……」
いつになく真剣な表情で、藤森先生が私を見る。
「俺は桃子の味方ではないけど、健一郎の医者としての腕は買ってるし、もっとその才能を伸ばせる場所に行ってほしいと思ってる。三波ちゃんとの結婚で、健一郎が自分の持つ才能を伸ばせないなら、俺はこの結婚は失敗だったと思うよ。別れた方がいいんじゃないかな」
「そんなの……」
「今時、離婚や別居なんて珍しい事じゃないでしょ」
―――離婚や別居、って……。