幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
―――ずっと一緒にいたい。健一郎とだけ、いたい。
健一郎が閉じ込めておきたいって思うならそうしたらいいと思った。
おかしなこと言ってると思う。私はきっとおかしいと思う。
「な、何言ってるんですか……」
健一郎が驚いたように私を見る。
「ホプキンスからお誘いがきてるって? 多田医学賞のことも藤森先生から聞いた」
「……やっぱりあいつか。それも?」
「うん。いや、とっさだったからガードできなくて。でも、最後に一発殴っといたから」
「何言ってるんですか」
健一郎がふっと笑って、私は心底ほっとしていた。
そして私は自分の手を握る。
―――私は決めた。
「健一郎がもしアメリカに行っても、もしうちの病院継ぎたくないって決断しても、ついていきたい。健一郎のそばにいたいの。健一郎がずっと私のそばにいてくれたみたいに」
私にできることはない。だけど、そばにいる。
健一郎がどんな決断をしたとしても。健一郎のそばにいたいのだ。
なのに健一郎は、
「心にもないこと言うもんじゃありません」と言った。
(心にもないこと? 私の一世一代の告白なのに!)