幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
「知ってますか? 三波さん。前撮りという素晴らしいシステムがあって、そこでは三波さん一人でも写真が撮れるらしいんです。僕も撮っていいらしいんです。そのために新しいカメラも買いましたし、前撮りに3日間用意してもらいました」
「3日もそんなことにかける気? 本当にバカなの?」
私が言っても、我が家の父母と健一郎は、ただ楽しそうに結婚式の話をしていた。けれども、都合の悪い話は一家総出で聞こえないらしい。都合の良い難聴システムだ。
私は、結婚式をすること自体、あまり乗り気ではない。
しかし、健一郎がしたい、私の花嫁姿が見たいと言い張り、突然近々な日程が決まり(普通、結婚式というものは一年前とかに予約するものではないだろうか?)、話しが勝手に進んでいる。
父母も嬉しそうだし、別に結婚式を挙げてもいいとも思うのだが……。
婚姻届けを出してはや1年が経過している今、非常に『今更感』が否めない。