幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
―――ん? 私、アレ……、何か月きていない?
とっさに研究室に戻って手帳を開く。そして、あぁ、と思った。簡単に調べる方法もあるが、心当たりがありすぎた。
大学病院は初診で行く場所ではない。かといって、病院の娘が違う病院もな……。
そう思い、私は、とりあえずその日、仕事を早めに切り上げると、実家の病院に駆け込んだ。ちょうど父は診療中で、私は受付にいた顔なじみの事務員の森さんに事情を話す。
「こっそり?」
「はい、まだ母にも父にも健一郎にも知られたくないんです」
「うーん、そういうの、燃えるわね!」
森さんは笑って何かと手回しをしてくれた。
完全に私も職権乱用だ……。ごめん、みんな。と待合で待つ患者さんに心の中で謝る。
案内された先では、こちらもまた顔なじみの医師が顔を出した。平良先生と言う女性医師で、一番のベテラン医師だ。
その顔を見ると、ほっとする。実は私をとりあげたのも、この平良先生なのだ。
平良先生の横には、私は見たことのない医師が立っていた。もじゃもじゃの頭に、黒縁眼鏡で顔がよく見えない。あんな先生いた?
「先月から研修で医師が入っているんだけど、一緒にいいかしら?」
そういえば、うちは研修も受け入れていたんだ。ちょっと落ち着かないけど、未来のお医者様を育てるお手伝いができるならいいか、と思う。
「はい、大丈夫です」
私がそういうと、平良先生も研修の先生もほっとしたように息を吐いた。