クールな婚約者との恋愛攻防戦
それから数ヶ月ーー。
「愛梨、とっても素敵よ」
純白のウェディングドレスを身に纏った私に、母が嬉しそうに声を掛ける。
全身鏡に映る自分の姿は、まるで自分ではないみたいで、こそばゆい。
……今日は遂に、私と樹君の結婚式当日。
樹君とお互いの気持ちを確認し合ってから数日後、私達は別荘での同棲を解消した。
少し名残惜しい気もしたけれど、元々お互いのことをより知る為に設けられた、期間限定のお試し同棲のようなもの。
お互いのことを知るどころか、両想いにまでなったのだから、別荘での同棲はもう必要ないと判断したのだ。
ただ、お互いに好きになり、恋人同士になりましたーーとは、何だか気恥ずかしくてお互いの両親には言えず〝そろそろ両親を交えて今後のことを話していきたいから〟と報告したのみだった。
それなのに、何故か母とお義母様には、いつの間にか私達の関係に気付かれていて、しばらくは少々照れ臭かった。
同棲を解消した後は、お互いにいったん実家へと戻り、新居も決めなくてはならないけれど、その前に結納の儀やお披露目パーティーなんかもあったので、毎日バタバタとしていた。
と言っても、私はこの性格なので、身構えることはほぼなく、両親の方が毎回、何倍も緊張していたのだけれど。
……だけど、さすがの私も今は少しだけ緊張している。
それでも、とても幸せな気持ちなのも確かだった。