俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「木名瀬さんの悪い噂が広まったら、重役や人事部に人間性を疑問視され、降格させられるのを狙っているんじゃないの? 源君、今はまだ誰の秘書にもついていないけど、近々誰かにつけるって話が進んでいるらしいし」

 すると注文したホットサンドが運ばれてきて、会話は一時中断。それぞれの前に料理を置き、去っていく店員を確認して細川さんは続けた。

「源君に色目を使って、副社長にも……なんて噂まで流れているでしょ? だったら今度の秘書は女ではだめだ!ってならない?」

 おしぼりで手を拭きながら言われたことが、まとを得ていてなにも言えなくなる。

 私が人事部だったら、そのように対処すると思う。副社長は独身で人気があるし、女性秘書なら彼の仕事に支障をきたすかもしれない。だったら、男性秘書をつけようって。

「木名瀬さんを飲みに誘っているのも、酔って醜態を晒して弱みを握ろうとしていたのかもしれないわよ? 私の推理通りだったら、源君はとんでもない策士ね」

 そう言いながら細川さんは、ホットサンドにかぶりつく。
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