ここはディストピア あなたは亡国の騎士 わたしは愛玩物
「イザヤ。好き。大好き。」


口をついて出てきた言葉に、イザヤはほほえんだ。


「私もそなたを愛しく思っている。まいら。……だが、性急すぎたやもしれぬ。そなたの身体が落ち着くまで、少し控えるとしよう。」


え?

それって、血が止まるまで、お預けってこと?


……イザヤに導かれて、……気持ちいいって、覚えたばかりなのに……。


トホホ、だわ。

しょんぼり。




あからさまにテンションを下げた私に、イザヤの目尻が下がる。


「そんな顔しなくともよい。なに、傷が塞がるまで、別のかわいがりかたをすればよかろう。」


「別って……。」


もしかして、……BL作品でお馴染みの、お尻の穴のほう?


きゃーーーー!!

正直なところ、興味津々。


汚いとか、怖いってのは、もちろんなんだけど……でも、……お尻のほうでも、気持ちいいのよね?

ならば、体験してみたいかも。


ドキドキしてきた。



私は、期待でいっぱいの目で、イザヤをじっと見上げた。



イザヤは、そっと私の額に口づけた。

「かわいいぞ。まいら。ずっとそんな顔をしていてほしいものだな。……では、ご期待にお応えして……そうだな……ちょっと待ってよ。」


「え?なに?どこ行くの?」

慌ててイザヤの袖をつかんだ。


「いきなりは無理だからな。準備が必要だ。……かまわぬから、まいらはそのまま寝ていよ。」


そう言って、イザヤはベッドルームを出て行った。



準備って……えーと、浣腸?

腸内洗浄ってやつ?


ええええ。

どうしよう。

やっぱり、恥ずかしすぎる。



思わず、毛布を頭まで引きかぶって、私はジタバタと悶えた。



ほどなく、イザヤが戻って来た。

「まいら?……なんだ?またイモムシになったのか?」


慌てて顔を出した。

「イモムシちゃうわ!……何?それ?……長いイモムシ?」


イザヤは白い布でくるまれた大きくて長いモノを大事そうに抱えていた。



鳥の伊邪耶も気になるらしく、イザヤの肩や頭をウロウロと飛び回っている。



「イモムシではないな。……蛇の場合もあるらしいが……これは、犬だそうだ。」


「はあ?犬って……。」

何を言ってるのだろう。


キョトンとしている私にほほ笑みかけてから、イザヤはおもむろに白い長いモノをテーブルの上に置いた。


< 172 / 279 >

この作品をシェア

pagetop