ここはディストピア あなたは亡国の騎士 わたしは愛玩物
異母姉のさっちゃんこと桜子も、妊娠初期はつわりで食欲がなくなってかわいそうだった。
けど、その後栄養バランスに気をつけてたら、お腹の子はちゃんとすくすく育っていたようだ。
……もうとっくに生まれたよね……。
逢いたいなあ……。
去来した里心に涙しそうになったけれど、そんな私をティガがじっと見ていたので、我慢した。
ティガは、私の目を覗き込むように屈んで、ゆっくり確認した。
「妊娠で、間違いないのですね?……父親は、ドラコですね?」
……いかにもかまを掛けられてしまっているけれど……とても誤魔化すことはできないらしい。
ばつが悪いので、視線をそらして、しぶしぶ頷いた。
「そやろ。……知らんけど。」
無責任を装ったけれど、ティガはふうっとため息をついて……そうして、小さく笑い出した。
どうやら、……喜んでいるっぽい?
「……うれしい?祝福してあげる?」
そう聞いてみたら、ティガは大仰に肩をすくめてから、
「手放しに祝福はできません。結婚しているという形が整ってない限り、子供は婚外子でしかありませんし……2人が相思相愛ではないこともわかっていますから。……ただ……リタがドラコに恋していたことは存じておりますし……シーシアさまへの忠誠に近い恋慕ゆえ結婚はしないつもりでいるドラコに我が家の跡取りを望むことの難しさを痛感してましたので……内心、小躍りしたいぐらい、喜んでいますね。」
最後は本当にうれしそうに、にっと笑った。
「じゃあ、ティガ的には、結果オーライなのね。……よかった……。」
中絶を迫られたらどうやって守ろうかと、ドキドキしたわ。
「本当に。望み通りの展開です。我が家におけるリタの地位も確立できますしね。……跡取りの実母なら、例えドラコと結婚はしなくとも、生涯安泰でしょう。本当に、よかった。」
しみじみとティガはつぶやいた。
「……えー、結婚したらええやん。ドラコかて、好意があるから、事に及んだんだしさ。……結婚させようよ。子供のためにも、そのほうがいいって!」
そうけしかけたら、ティガは困った顔になった。
「ドラコはともかく、シーシアさまのお母上さまが、許さないでしょうね。……あの家で、リタは存在してないことになっていますので。」
「あ-。王様のお姉さんね。」
けど、その後栄養バランスに気をつけてたら、お腹の子はちゃんとすくすく育っていたようだ。
……もうとっくに生まれたよね……。
逢いたいなあ……。
去来した里心に涙しそうになったけれど、そんな私をティガがじっと見ていたので、我慢した。
ティガは、私の目を覗き込むように屈んで、ゆっくり確認した。
「妊娠で、間違いないのですね?……父親は、ドラコですね?」
……いかにもかまを掛けられてしまっているけれど……とても誤魔化すことはできないらしい。
ばつが悪いので、視線をそらして、しぶしぶ頷いた。
「そやろ。……知らんけど。」
無責任を装ったけれど、ティガはふうっとため息をついて……そうして、小さく笑い出した。
どうやら、……喜んでいるっぽい?
「……うれしい?祝福してあげる?」
そう聞いてみたら、ティガは大仰に肩をすくめてから、
「手放しに祝福はできません。結婚しているという形が整ってない限り、子供は婚外子でしかありませんし……2人が相思相愛ではないこともわかっていますから。……ただ……リタがドラコに恋していたことは存じておりますし……シーシアさまへの忠誠に近い恋慕ゆえ結婚はしないつもりでいるドラコに我が家の跡取りを望むことの難しさを痛感してましたので……内心、小躍りしたいぐらい、喜んでいますね。」
最後は本当にうれしそうに、にっと笑った。
「じゃあ、ティガ的には、結果オーライなのね。……よかった……。」
中絶を迫られたらどうやって守ろうかと、ドキドキしたわ。
「本当に。望み通りの展開です。我が家におけるリタの地位も確立できますしね。……跡取りの実母なら、例えドラコと結婚はしなくとも、生涯安泰でしょう。本当に、よかった。」
しみじみとティガはつぶやいた。
「……えー、結婚したらええやん。ドラコかて、好意があるから、事に及んだんだしさ。……結婚させようよ。子供のためにも、そのほうがいいって!」
そうけしかけたら、ティガは困った顔になった。
「ドラコはともかく、シーシアさまのお母上さまが、許さないでしょうね。……あの家で、リタは存在してないことになっていますので。」
「あ-。王様のお姉さんね。」