クールなオオカミの過剰な溺愛



そのため少し不思議そうな顔をされたものの、特に質問されることなく彼は教室を後にした。

よし、あとはみんなが教室からいなくなるのを待つだけ。


そう思っていたけれど───


「今日俺が掃除やっておくよ」

という水瀬くんの声が耳に届いたため、慌ててそちらに視線を向ける。


すると彼はひとりの女子に声をかけていた。



「それは悪いよ…」
「いいんだ。ピアス探すついでに」

“ピアス”
そのワードにギクリとする私。


ひとりで掃除を受け持つほど、彼はピアスの行方を追っている。

これはもう絶体絶命なのでは?
明日の朝、早く来て返すべき?


それでも今、彼は必死になって探しているのだ。
放っておけるわけがない。

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