クールなオオカミの過剰な溺愛
それでも解決策は見つからずに時間だけが過ぎていき、ついには水瀬くんと私だけが教室に取り残されてしまった。
「……夏原さんは帰らないの?」
いつ誰がこの教室に来るのかわからないからだろう、あくまでさわやかな自分を演じている水瀬くん。
「ちょ、ちょっと…用事があって…」
まっすぐ水瀬くんを見つめられないあたり、やましいことがあると思われそうだ。
まだスカートのポケットにはピアスが眠っている。
とはいえ直接渡すのにはやはり気がひけるため、どうにかして水瀬くんには教室の外に出てほしかった。
「そうだ水瀬くん、トイレとか行きたくない!?」
「は?」
口走ってしまった私は思わず爆弾発言してしまう。
けれど誤解しないでほしい、一緒にトイレ行きたいわけではない。