クールなオオカミの過剰な溺愛



「夏原さん、何言ってるの?」

私の言葉に驚いた彼は、すでに裏が出ていた。


「ち、ちがっ…あの、トイレ行っておいでよ!」
「……なんだ、一緒に行きたいのかと思った」

「そんなわけないよ!
ほら、行ってらっしゃい!」


こんな強行手段をとった私はバカでしかないけれど。

とりあえず私がピアスを所持していたことを見られなければ責められることはないだろう。


「そんなバカな方法で俺を教室から追い出せると思う?」

「……っ」

「ねぇ、夏原さん。
俺に何隠してるの?」


けれどやっぱり水瀬くんはさすがだ。
何かを察したらしく、私のすぐそばまでやってきた。


「か、隠してるとは…?」
「もしかして、俺のピアス奪ったりした?」


ああ、どうしてこうも鋭い。
うまく嘘をつけない私は思わずギクリとしてしまった。

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