クールなオオカミの過剰な溺愛
少しでも女の子らしくなりたいって、心のどこかで思ってしまう自分はおかしいのだろうか。
「そう、かな…」
「もしかして意識してくれてる?」
「そ、そんなことは…」
すぐそうやってストレートに聞いてくるのだから。
少しはソフトに聞けないものか。
私だって素直になれていないけれど。
本当は煌哉を意識しているっていうのに、それを認めない自分が。
思えばあの日、初めて煌哉に想いをぶつけられた時から。
私は彼を男として見て、いつかまた迫られるのかもしれないと警戒していた。
その時点ですでに私は煌哉のことを意識していたのだ。
友達感覚で、心から信頼していた煌哉のことを“男”として見るようになったのだから。