クールなオオカミの過剰な溺愛
「す、ストップ!」
これはずるいではないか。
距離を詰める作戦は本当にダメ。
顔に出てしまう。
鼓動が速まって、熱くなる顔。
隠したいのに隠せない。
最近の私は変だ。
意識するなと思えば思うほど、気になって仕方がなくなる。
徐々に変わりつつあるふたりの関係。
水瀬くんと美織さんのことが解決した今、本当に今度は私たちの番なのだ。
「ん、じゃあストップで」
「えっ、は、離れてよ…」
そういう意味で言ったわけじゃないのに。
煌哉は額をくっつけたまま、離れようとしない。
こんなの私の身にもなってほしいのに。
「千紗がかわいいから無理だな」
「じゃ、じゃあ変顔しようかな!」
「焦ってるのがかわいい」
私の頬にも手を添えられる。
このままでは頬が熱いのがバレバレだ。