クールなオオカミの過剰な溺愛
「ふふっ、煌哉が照れてる」
「……うるせぇ」
「案外されるのは照れるんだ」
なんとなく楽しくなった私は、大胆にも煌哉と距離を縮めてみた。
すると煌哉はさらに顔を横にしてしまい。
「みっけ、煌哉の弱点」
「……変なことすんなよ」
「ほっぺ赤くなってるよ」
手を伸ばして突っついてみれば、今度は私の手首を掴まれてしまう。
「これ以上はダメだから」
ドキッとした。
頬を赤く染め、余裕のない表情で私を見つめる煌哉に対して。
また危機感を抱いた私は、もうちょっかいを出すのをやめた。
「じゃ、じゃあ行こっか。
ラーメン!」
「……ん」
「どこに行く?
家に近いほうがいいよね」
「……そうだな」
結局煌哉は不機嫌とまではいかないけれど、ほとんど喋らなくなってしまう。
そのため家の最寄りから2つ手前の駅近くにあるラーメン屋さんに行くぞと、勝手に決めた私。