クールなオオカミの過剰な溺愛
電車に乗ってからも喋らない煌哉。
怒ってはいなさそう。
ただその横顔をじっと見つめていると、煌哉の手が私の目元を覆った。
「あんま見んな」
「……っ」
どうやらまだ引きずっている様子。
大人しく前を向くと、煌哉は手を離してくれて。
こう見えて意外と照れ屋なのだと思った。
それから目的の駅に着き、私と煌哉は電車を降りる。
「……わっ」
改札を通って数分ほどでラーメン屋さんに着くのだけれど、なぜか先を歩く煌哉が突然足を止めてしまう。
そのため彼の背中とぶつかってしまい、結構痛かったけれど。
「……千紗、行くぞ」
「えっ、ま…」
ふと彼の視線の先をみれば。
「あははっ…!」
「マジ最高だろそれ!」
ピンク髪に金髪パーマ。
ピアスなどのアクセサリーはジャラジャラ。
大きな声を出して男女関係なく駅前に溜まっているのは、明らかに不良のグループである。