クールなオオカミの過剰な溺愛
なんとなく嫌な予感して煌哉の後ろを付いて行こうとしたその時。
その不良グループのうちのひとりがこちらを向いた。
「……あれ、煌哉?」
さらには煌哉のことを知っているようで。
「えっ、まじ!?
煌哉とか久しぶりじゃん!」
そう言って私たちの元へと男女数人が近づいてきてしまった。
最悪だ。
どうして私はここを選んでしまったのだろう。
まさか駅前に煌哉の知り合いが溜まっているだなんて想像つくはずがない。
「うっそ!
本当に煌哉じゃん!」
「やだ久しぶり、何すっごく変わったね!」
私の存在はなかったように扱われ、みんな構わず煌哉を囲う。
住む世界が違うように思えたけれど。
「ガチで真面目になったんだなぁ。
昔は一緒にバカしてた友よ!
連絡くらいしてくれてもいいだろー?」
ひとりの男が煌哉の肩を組む。
けれど、依然として煌哉の表情は変わらない。