クールなオオカミの過剰な溺愛
わかっていた。
昔の煌哉は二股とか、遊んでいたって。
けれどいざその事実を確認すると、なんとも言えない気持ちになる。
このモヤモヤした気持ちはなんだろう。
本当に複雑だ。
「昔と比べられても困るから」
「えーっ、でもわざとこんな地味女彼女にして、好感度アップを狙ってるんでしょ?」
チラッと私に視線が送られ、地味である自分が恥ずかしくなった。
そんなの、煌哉と住む世界が違うだなんて知っている。
知っているけれど、私は───
「……この女の良さはお前らにわからせてたまるかよ。俺が独り占めすんだ」
「えっ、ま…きゃっ」
その時。
煌哉が無理矢理、女子の腕を解いた。
かと思えば私の手を握ってきて。