クールなオオカミの過剰な溺愛
「千紗、行くぞ」
「あっ…うん…!」
煌哉に引かれながら、私は足を進める。
その間も不良グループの人たちは煌哉の名前を呼んでいたけれど。
「……こ、煌哉、いいの…?」
「何がだよ」
「あの人たち、まだ呼んでるけど…」
「不良なんてバカするのやめたんだ。
今はただ、千紗にふさわしい男になりたい」
「……っ」
そんな真っ直ぐな目で見つめられても困る。
ドキドキしてたまらなくなるから。
手を離してほしくなくて、ぎゅっと私から強く握りしめた。
「……千紗、こんなことされたら期待するけど」
「じゃ、じゃあ期待すればいいんじゃない…?
ラーメン食べよラーメン、お腹すいた」
本当、素直になれない女。
ただでさえかわいくないのに、さらにブスを極めてどうするんだ。