クールなオオカミの過剰な溺愛




それでも彼は小さく笑っただけで、『わかった』と了承してくれた。

これだと優しいのか意地悪なのかわからない。



そして私たちはラーメン屋さんの中へと入り、本当にあっさり塩の大盛りを頼んだ私。

食べきれるか不安だったけれど、ぼーっとして食べ進めていたら気づけば無くなっていた。


あまり味を楽しめないまま食べ終えてしまったようだ。

それほどに私の心には、煌哉という存在が支配していた。



「千紗が元気ねぇ」

食べ終わってからまたすぐ電車に向かえば、もう不良グループはいなくなっていた。


「……別に、元気がないわけでは」
「まだ気にしてる?昔のこと」

「そんなこと、ない…けど」


ううん、そんなの嘘。
本当は気にしている。

煌哉がもし私に興味をなくしてしまったらと思うと怖い。

< 288 / 300 >

この作品をシェア

pagetop