クールなオオカミの過剰な溺愛
それでも彼は小さく笑っただけで、『わかった』と了承してくれた。
これだと優しいのか意地悪なのかわからない。
そして私たちはラーメン屋さんの中へと入り、本当にあっさり塩の大盛りを頼んだ私。
食べきれるか不安だったけれど、ぼーっとして食べ進めていたら気づけば無くなっていた。
あまり味を楽しめないまま食べ終えてしまったようだ。
それほどに私の心には、煌哉という存在が支配していた。
「千紗が元気ねぇ」
食べ終わってからまたすぐ電車に向かえば、もう不良グループはいなくなっていた。
「……別に、元気がないわけでは」
「まだ気にしてる?昔のこと」
「そんなこと、ない…けど」
ううん、そんなの嘘。
本当は気にしている。
煌哉がもし私に興味をなくしてしまったらと思うと怖い。