クールなオオカミの過剰な溺愛
「俺、そんなに信頼されてねぇんだな」
「ち、ちがっ…」
「でも仕方ねぇか。
昔遊んでたのは事実だし」
改札を通ってから間も無くして、電車がやってきた。
それに乗り込んだ後は、お互い口を開くことがなく。
まだ話の途中だったけれど切れてしまった。
もしかして、煌哉を怒らせてしまったのだろうか。
私が不安ばかり零すから。
呆れられてしまっただろうか。
不安に思っていたら、突然煌哉が私の手を力強く握ってきた。
「……っ」
「大丈夫だから」
「うん…」
煌哉が言うのだから大丈夫だ。
私の不安が彼に伝わってしまったため、これはダメだと思い空いている手で頬を叩いた。
それから間もなくして、家の最寄りへと着いた電車を降りる私たち。
外はもう真っ暗で、街灯を頼りに夜道を歩く。