太陽と月


『うん!分かった!』


と何だかくすぐったい気持ちになったけど、素直に呼び捨てにする事にした。


ショッピングモールで色んなお店に連れて行って貰った。


見るもの触れる物が初めてだった。


買い物しながら気になってる事を聞いた。


『ねぇ、真也さんは何のお仕事してるの?』その質問に対して陽介はキラキラとした笑顔で答える。


『父さんは、施設や病院を作ってる!拠点は日本だけど、海外の恵まれない子ども達の為にも施設や病院作ってるだ』


そう聞いた私は胸に何かがひっかかった。


確かに、真也さんはこんな私を拾ってくれた。


優しい笑顔で私の頭を撫でてくれた。


でも垣間見る、冷酷な目や声や言葉が忘れる事が出来なかった。


『俺は高校卒業したら父さんの手伝いをするんだ。人の為に生きていきたい』


そう笑顔で言う陽介は本当に輝いて見えた。
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