太陽と月


「失礼しまーす」そう挨拶をして職員室の扉を開け担任の元に行く。


私の担任は、松島 徹と言う40代くらいの男の先生だった。


「おっ!西園来たか!お前な、昨日のスピーチも主席としてあるまじき発言だし、今日も人の話聞いてないし、どうなってる?確か、お前西園兄妹の妹だろ?」その発言に驚く。


先生は兄妹って事知ってるんだ。


「あの…学校では従兄弟って事にしたいんですけど…」


そう小さく言うと、松島先生は怪訝そうな顔をした。


「…従兄弟?何でだ?」


何でって言われても…。


返事に困っていると、


「松島先生!」と声がした。振り向くとそこには


颯介が立っていた。


「おっ!西園!久しぶりだな」さっきとは打って変わって笑顔の松島先生。


「お久しぶりです」そう微笑む颯介に違和感を感じた。


微笑んでいるのに笑っていない。


「学校では僕達は従兄弟って事にしたいんですよ。色々とありますし。」そう言ってくれた。


「いや、しかし…」松島先生の言葉を遮って


「誰にでも隠したい事はありますよね?松島先生もありますよね…?」そう笑顔を崩さない颯介。


その言葉に
「そっそうだな…。よし分かった!」何故か少し慌てる松島先生。


2人の間に流れる空気は凍っている様に感じた。
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