大人の女に手を出さないで下さい
「俺は、副社長より、三雲社長と付き合った方がいいと思うぞ?」

「え?」

驚いて英隆を見れば意外と真剣な顔をしていて口を噤む。
何故ここで三雲社長が出て来るのか?もしや社長にも告白されたことを英隆は知っているのかと勘ぐってしまう。

「年齢的にも立場的にも合ってると思う。子供ももう必要ないから二人で穏やかに暮らしていけるんじゃないか?」

「なんであなたが三雲オーナーを推すのよ…出来るわけないじゃない、息子がダメだからってその父親と付き合うなんて…」

そうだ、と気づいた。
三雲オーナーに思いがけず告白されて混乱していたけど、蒼士がダメだからってその父親と付き合うなんて出来るわけがない。
何より、三雲オーナーの事は尊敬してるし憧れであるけれど、梨香子が好きなのは蒼士なのだ。
三雲オーナーにはきちんとお断りしよう。
ひとつ悩み事が消えて梨香子はホッとする。だからと言って問題はまだあるのだが。

「それもそうだな…なら、俺ともう一度よりを戻さないか?」

「ぶっ…はっ!?」

またワインを口にしたときに言われ思わず吹き出しそうになった。
口元を抑え英隆を訝しげに睨んだ。

「馬鹿にしないでよ!あっちがダメならこっちで、終いにはあなたとよりを戻す?何考えてるの?ふざけないで!」

「馬鹿にしても、ふざけてもいないよ。俺と復縁する方が一番丸く収まると思うんだが?英梨紗も喜ぶ」

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