大人の女に手を出さないで下さい
険しいままの蒼士にわけもわからず付いて行く梨香子。二人は無言で歩いて行くとちょうど停車していたタクシーに乗り込んだ。
蒼士が行先を言っていたが梨香子には理解できない。タクシーが走り出すと蒼士は大きなため息を吐いた。
「はあ〜、ほんと、情けない…」
「どうしたの蒼士くん」
脚に肘を着き頭をかき乱した蒼士は顔を上げると梨香子の両肩を掴んだ。
「ごめん梨香子さん。梨香子さんのピンチの時に真っ先に駆けつけるのが俺の役目なのに…」
「え?別にいいわよ。ちょうど奥野さんが助けてくれたし」
そっぽを向きそれが嫌なんだよ…と呟く蒼士の声は梨香子には届かなかった。
「それよりあの外国人何言ってたかさっぱり分からなくて、奥野さんナンパって言ってたけどそんな雰囲気じゃなかったのよね」
そりゃそうだ。
あの外国人はいいカモを見つけたとばかりに、巧みに梨香子を外に連れ出し金を巻き上げるかひったくる算段だったのだろう。
奥野達が英語で話していたのが聞こえていた蒼士はそのことは梨香子には絶対言わないでおこうと思う。
……
『え、連れがいたのかよ、せっかくのカモが…』
『こいつ英語話せるぞやばいよ』
『何をするつもりか知らないが妻に何かしたら許さないよ』
……
梨香子の肩を抱き奥野が放ったセリフは蒼士にはっきり聞こえた。
あそこで妻と言う必要あったのか?と未だに腑に落ちなくて俺のセリフを取りやがってと助けてくれた恩人に対して恩知らずな事を思う。
「奥野さんもなんて言ったのか全然わかんなかったわ」
話が通じないって困りものね、と苦笑いを浮かべる梨香子に蒼士は少しホッとした。
今回ばかりは梨香子が英語が話せなくて良かったと思う。
危険な目に合いそうになっていたのだから楽観視はできないが。
蒼士が行先を言っていたが梨香子には理解できない。タクシーが走り出すと蒼士は大きなため息を吐いた。
「はあ〜、ほんと、情けない…」
「どうしたの蒼士くん」
脚に肘を着き頭をかき乱した蒼士は顔を上げると梨香子の両肩を掴んだ。
「ごめん梨香子さん。梨香子さんのピンチの時に真っ先に駆けつけるのが俺の役目なのに…」
「え?別にいいわよ。ちょうど奥野さんが助けてくれたし」
そっぽを向きそれが嫌なんだよ…と呟く蒼士の声は梨香子には届かなかった。
「それよりあの外国人何言ってたかさっぱり分からなくて、奥野さんナンパって言ってたけどそんな雰囲気じゃなかったのよね」
そりゃそうだ。
あの外国人はいいカモを見つけたとばかりに、巧みに梨香子を外に連れ出し金を巻き上げるかひったくる算段だったのだろう。
奥野達が英語で話していたのが聞こえていた蒼士はそのことは梨香子には絶対言わないでおこうと思う。
……
『え、連れがいたのかよ、せっかくのカモが…』
『こいつ英語話せるぞやばいよ』
『何をするつもりか知らないが妻に何かしたら許さないよ』
……
梨香子の肩を抱き奥野が放ったセリフは蒼士にはっきり聞こえた。
あそこで妻と言う必要あったのか?と未だに腑に落ちなくて俺のセリフを取りやがってと助けてくれた恩人に対して恩知らずな事を思う。
「奥野さんもなんて言ったのか全然わかんなかったわ」
話が通じないって困りものね、と苦笑いを浮かべる梨香子に蒼士は少しホッとした。
今回ばかりは梨香子が英語が話せなくて良かったと思う。
危険な目に合いそうになっていたのだから楽観視はできないが。