大人の女に手を出さないで下さい
「ところでどこに行くの?」

みんなと観光もよかったけど、やっぱり蒼士と二人きりが良かった梨香子はちょっとワクワクしながら蒼士に聞いた。
呑気な梨香子に脱力した蒼士は口元を緩ませ外を指さす。

「外を見てごらん」

「時計台…あれはビックベン?」

「そう」

タクシーの車窓から見えるのは観光地としてイギリスで知名度を誇るビックベン。
停車したタクシーから出てきた梨香子は目の前に聳え建つビックベンを見上げた。
その間に蒼士は支払いを済ませタクシーは去っていく。

「行こう、中も見ることが出来るよ」

「ええ」

自然と手を繋ぎ笑顔を浮かべて二人だけの観光、もとい、デートが始まった。
ビックベンの横、国会議事堂となっているウェストミンスター宮殿に入り館内を見学しウェストミンスター寺院にも足を運んだ。
どこも観光客だらけ。ふと梨香子が視線を落とすとその先で見上げてくる青い目と合った。
綺麗な青い目に金髪の5歳くらいの男の子。
梨香子に気が付くとハニカミながら笑いかけてくれた。
あまりの可愛さに梨香子が蒼士の手を引っ張った。

「天使!本物の天使がいる!」

「え?ああ…」

梨香子が興奮気味に話しまだこちらを見てる男の子に手を振るとその子は恥ずかしそうに手を振りお母さんらしい女性の脚にしがみつき顔を隠してしまった。
梨香子と蒼士は目を合わせ可愛すぎるそのしぐさにメロメロになる。

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